「野良猫出身の猫を迎えたら、ものをよく噛んでしまう…」「撫でているだけなのに突然ガブッとくる…」
そんな悩みを抱えている飼い主さんはとても多いです。
野良猫あがりの子は、長い間“外の世界で生き抜くために必要な行動”を身につけてきたため、家庭に入ってもすぐに安心して甘えるとは限りません。噛む行動の奥には、経験からくる防衛本能、恐怖、遊びの延長、ストレスなど、さまざまな理由が隠れています。
この記事では、
● 野良猫あがりの猫が噛んでしまう主な原因
● 年齢別(子猫・成猫・シニア)に適した噛ませない方法
● やってはいけないNG行為
をわかりやすく解説します。
■ 野良猫あがりの猫が噛んでしまう主な原因
① 外敵から身を守るための「防衛本能」が残っている
野良時代は、自分を守るために攻撃が必要な場面が多くありました。
特に、撫でられることに慣れていない猫は、人の手が近づくだけで「攻撃されるかも」と判断し、噛んでしまうことがあります。
② 怖い・不安・緊張など心理的ストレス
保護されて間もない猫は、環境の変化が多く、恐怖や不安から噛むことがあります。
野良生活が長かった猫ほど、人との距離感をつかむまで時間がかかります。
③ コミュニケーション手段として噛む
猫にとって噛む行為は、意志表示のひとつ。
「もう触らないで」「やめてほしい」「遊びたい」などの気持ちを言葉の代わりに噛んで伝えます。
④ 過剰な遊びの興奮(いわゆる“スイッチが入る”状態)
特に手でお手軽に遊んでしまうと、手=獲物と認識され、噛む癖がつきやすくなります。
⑤ 体の痛み・病気による攻撃
触られたくない場所がある、関節痛がある、口のトラブルがあるなど痛みがある場合にも噛むことがあります。
特にシニアは注意が必要です。
■ 年齢別:噛むのをやめさせる正しい方法
▼ 子猫(〜1歳)の場合:学習期なので「正しい遊び」がカギ
野良あがりの子猫は、好奇心旺盛で狩猟本能が強く、噛み癖がつきやすい時期です。
しかし、この時期は「教え方次第で必ず改善する」ので焦らず対応することが重要です。
① 手で遊ばず、“必ずおもちゃ”を使う
・羽根じゃらし
・紐のおもちゃ
・ネズミのぬいぐるみ
とにかく「手はおもちゃではない」と教えることが最優先。一度覚えてしまうと、癖を直すのにかなり時間を要します。
② 噛まれたらすぐに“無反応”で離れる
手や足などを噛まれた場合、「痛い!」と大声を出すと、子猫には“反応が返ってきた=遊び成功”と誤認されます。
噛まれる場合には、反応をせずに静かに手を抜き、目を合わせず席を立ちましょう。冷静さが必要です。
③ 十分な運動量を確保
遊び足りないとさらに噛み癖は悪化します。
朝と夜に10〜15分ずつ、狩りのように追いかけて遊ぶ時間を作ると効果的。満足すると何かを噛もうという意欲が少なくなります。毎日ちょっとでいいのでぜひ一緒に遊んでいきましょう!
④ 一定の生活リズムを作る
ごはん→遊び→休憩のサイクルで安定させると、子猫は安心します。次は何があるかを覚えるので、猫の行動もわかりやすくなります。
▼ 成猫(1〜7歳)の場合:信頼関係の構築が最も重要
ある程度成長している野良あがりの成猫は、過去の経験が行動に強く影響します。
特に人慣れしていない子は、「噛む=自己防衛」になっていることが多いです。
① 触る前に“合図”を送る
急に触られるのが大嫌いな子も多いです。猫とのコミュニケーションのために、二人でわかる合図を作っておきましょう。
・ゆっくり手を見せる
・指を差し出して匂いを嗅がせる
・目を細めて「ゆっくり瞬き(=友好のサイン)」
こうしたステップを踏むと次にする行動が猫に伝わり、心の準備ができるため驚いた時の噛み癖が減ります。
② 撫でるのは“頭・首の横・胸の前”だけから始める
背中やお尻は警戒されやすいです。
慣れるまでは短時間&安全な部位だけを上の合図を送りながらゆっくりと触ってあげましょう。
③ 噛む前の“サイン”を読む
・しっぽをパタパタ
・耳が横向き
・瞳孔が開く
・体が固まる
基本的に上の行動は、噛む手前に起こしやすい行動になります。この段階で手を離せば猫は“噛む必要”がなくなりますので、噛み癖がつきにくくなります。
④ 隠れられる場所を作ってストレスを軽減
キャットタワー、カーテン裏、段ボールなど、猫にとっての安全地帯があるとストレスが減り、噛み行動が減ることがあります。
⑤ 無理に仲良くなろうとしない
距離感を猫が決めることが大切です。
過度なスキンシップは逆効果になります、特に成猫は長年生きてきたことで性格や癖が出来上がっているので、仲良くなるには、時間が必要です。
▼ シニア猫(7歳〜)の場合:痛みや不調の可能性を最優先で考える
野良あがりのシニアは、噛む=攻撃ではなく、
「痛いから触らないで」のサインであることも多いです。
① 痛みや病気をチェック
・歯周病
・関節炎
・内臓の不調
これらは「触られると痛い」ため噛む原因になります。
シニアで突然噛むようになった場合は、情報の切り分けが必要ですので、まず動物病院で診てもらいましょう。
② 撫でる時間も短めに
長時間のスキンシップはシニアの猫にとってストレスになることがあります。適度に撫でてあげて、鳴いたり、尻尾を叩きつける行為があったら、すぐやめてあげましょう。
③ 静かな環境を整える
大きな音や来客が多いと不安が強まり、ストレスで噛む可能性が高くなります。シニアの猫には、できるだけ静かな環境を整えてあげましょう。
④ 無理させず「猫のペース」を最優先
距離を保ちながら、静かに見守るのが一番の安心につながります。シニア猫のタイミングによって撫でてほしい時が来ますので、その時はいっぱい撫でてあげてください。
■ やってはいけないNG行為
× 大声で叱る・押さえつける
逆に恐怖心が強まり、噛み癖が悪化します。ストレスを溜めないようにしましょう。
× 鼻を弾く・叩く
信頼関係が崩れます。猫を叩くと近くに行くと悪いことが起きると認識してしまうため、基本的に、叱って良いことはありません。
× 手で遊ばせる
どんなに小さな猫でも絶対にNG。手=獲物になってしまいますので、手が傷だらけになってしまいます。いろいろな世話をする際にも遊びと勘違いして飛びついてきてしまいます。
× 噛んだときに興奮して反応する
興奮反応は反応があることで猫にとって“成功体験”となり癖になる原因になります。噛まれた場合は、痛くても、反応せずにその場からすぐ立ち去るようにしましょう。猫にとって人を噛むことがつまらないことだと認識してもらうのが鍵です。
■ まとめ:野良猫あがりの「噛む」は時間をかければ必ず減らせる
野良猫あがりの猫が噛んでしまうのは、
「悪気がある」のではなく、
「これまでの経験から身を守るため、生きるために必要だった行動」です。
しかし、
● 年齢に合わせた適切なアプローチ
● 過剰に近づきすぎない、触りすぎない適度な距離感
● 正しい遊びと環境づくり
を続けることで、猫は次第に「この家は安全で危ないものがない」と理解し、噛む行動は確実に減っていきます。
焦らず、少しずつ信頼を積み重ねていきましょう。
野良猫あがりの子ほど、心を許したときの愛情は可愛くとてつもなく深いものです。


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